1999年名古屋場所

• 千秋楽： 土佐ノ海，右かいなを返しただけで，湊富士を土俵に転がし11勝目を上げ，敢闘賞を手にする．来場所は関脇復帰，そして大関への足固めの場所となる．北勝鬨，光法に寄り切りで破れ9勝目を上げることができなかった．再入幕は，非常に微妙な線である．大碇，水戸泉を押し出しで破りなんとか千秋楽に勝ち越しを決めることができた．
  幕下の瀧ノ音が，白星をひとつ追加し，5勝2敗で場所を終えた． 来場所は幕下中位へ番付を上げてくる．三段目の雷山が千秋楽に勝ち越しを決めた．幕下復帰へは最低でも一場所必要である．来場所もこの調子で頑張って欲しい．
• 14日目： 土佐ノ海，調子の出ない千代天山を下し，10勝目を上げる．北勝鬨は，中入り後に大日ノ出と対戦．巻き落としで白星を上げ，勝ち越しを決める．大碇は，出羽平に寄り切りで敗れ7勝7敗の五分の星．千秋楽に勝ち越しをかける．
  三段目の荒飛であるが，3連勝の後4連敗となり，とうとう負け越しとなってしまった．序二段の荒熊が白星を重ね 5勝2敗とした．来場所は先場所の自己最高位（三段目98）を更新することは間違いない． 序の口の木村海は，足の怪我のため9日目からの途中出場であったが，2勝をあげることができた．しかも，今日は不戦勝．
• 13日目： 今場所4度目の三関取白星の日．土佐ノ海，武双山に相撲をとらせず，万全の寄り切り．9勝目．二桁勝利が現実味を帯びてきた．北勝鬨が鳥羽の山を肩透かしで破り，また大碇も出羽嵐を押し出しで破り，両者7勝6敗と白星先行．
  幕下22枚目の荒馬がもう一つ白星を重ねて5勝2敗で今場所を終えた．来場所は10枚目程度に番付を上げてくるだろう．関取までもう一歩だ．序二段の藤川が3連敗の後に4連勝を上げ勝ち越しを決めた．実は先場所も3連敗4連勝である．二場所続いて自己最高位での勝ち越しは立派である．
  幕下以下の勝ち越し・負け越しがほぼ出揃った．三段目の雷山と荒飛が，7番相撲に勝ち越しをかける．
• 12日目： 土佐ノ海は横綱貴乃花戦である．調子のでない貴乃花を相手に，完璧な押し相撲で勝利を上げた．余裕の勝ち越しである． 北勝鬨と大碇が今日もまた揃って負けてしまった．いつのまにか6勝6敗の五分の星である．
  幕下の荒馬と瀧ノ音が揃って白星を上げ勝ち越しを決めた．序二段の四ツ車と藤嵐も勝ち越しである．先場所3連敗4連勝の藤川が，今場所も3連敗3連勝である．最後の相撲を注目したい．
• 11日目： 土佐ノ海，若の里の立合いの変化に動じず寄り切り．北勝鬨は須佐の湖に寄り切りで敗れる．大碇は皇司に押し出しで敗れる．二人とも２連敗で元気がない．
  三段目の荒海が2-4と負け越してしまった．ただ，もう一番勝っておけば，来場所もなんとか三段目に踏みとどまることができるかもしれない．序二段の北の剛が4-2と勝ち越した．
• 10日目： 土佐ノ海が珍しく動き勝ちして，栃東を引き落としで破る．白星先行の6勝4敗．昨日の時点で十両トップに並んだ北勝鬨と大碇だが，今日は残念ながら二人とも負けてしまった．
  序の口の木村海が今場所初めて土俵にあがり，めでたく白星を上げた．これで来場所番付外に落ちることはないであろう．
• 9日目： 今日も3関取が揃って白星を上げた．今場所3回目．土佐ノ海は，安芸乃島に出足を止められるも，よく辛抱し右前マワシを引いて寄り切った．5勝4敗．十両の北勝鬨と大碇とが3敗を守って十両の優勝戦線のトップに並んだ．最後まで優勝戦線にからんで欲しい
  序二段の荒熊が4勝目を上げて勝ち越しを決めた．もう一番勝てば自己最高位の更新は間違いないだろう．徳海山が入門3場所目にして初めて負け越してしまった．また，序の口の荻野目が先場所に引き続き負け越してしまった．
• 中日（8日目）： 土佐ノ海，琴錦相手に押し切れず，左からの突き落としにいってしまった．そこをつけこまれ，土俵を割ってしまう．4勝4敗の五分となる．北勝鬨，立合い左に変わり，とったりを打ち水戸泉を土俵の外へ． 5勝3敗．大碇，動きの良い流れの中で左上手を引き，出し投げで北桜を破る．5勝3敗．
  三段目の荒海と序二段の藤川が初日を出し1勝3敗．序二段114枚目の藤縄が，4連勝で勝ち越しを決める．１８０kgの巨体を生かせば，すぐにでも序二段上位に番付を復帰させることができるはずだ．
• 7日目： 3関取が揃って白星を上げる．みな4勝3敗と白星を先行させた． 土佐ノ海は調子の上がらない魁皇を寄り切りで下す．立ち合いの当たり，その後の出足からの押し・寄りは初日から変わらず素晴らしい． 北勝鬨が琴稲妻とのベテラン対決を征し，今場所初めて白星を先行させる．大碇は舞の海を押し出しで破る．
  三段目の大綱が今場所初の白星をあげる． 序二段の松田，藤嵐，黒武州が今日の白星で星を2勝2敗の五分とする．
• 6日目： 3関取の成績が全員3勝3敗となった．土佐ノ海，出島を押し込むことが出来なかった．両者の動きが止まった後に押し合いとなるが，出島の圧力の方が強く，叩き込まれてしまった．土佐ノ海の立ち合いの当たり・出足は良いのだが，一度止まるとなかなか攻めることができない（昨日の武蔵丸戦も同様）．北勝鬨，五城楼を掬い投げで破り3勝3敗と五分の星に戻す． 大碇，鳥羽の山に押し出しで敗れる．序盤戦は白星を先行させていたが，五分の星となってしまった．
  序二段の荒熊と藤縄が今日の一番に勝ち，3戦3勝である．一方で 三段目の大綱と荒海，序二段の藤川と英彦の山とが，まだ白星を上げていない．後半戦頑張れ！
• 5日目： 昨日に続き今日も結びの一番に登場した土佐ノ海，新横綱の武蔵丸と攻防のある一戦を演じる．一気に押し込むことができずに，左上手を引く良い形になったものの，前に出る力がもう一つ足りなかったようである．残念ながら黒星．北勝鬨は朝乃若を押し出しに破り2勝3敗．大碇は金開山の引きに敗れ3勝2敗．
  幕下の荒馬が白星を上げ，2勝1敗と白星を先行させる．三段目の荒飛が昨日に引き続き白星を上げ3連勝と絶好調である．
• 4日目： 3連勝の土佐ノ海，同じく3連勝の曙と結びの一番で対戦するも，通じず．今場所の曙は非常に調子が良い．大碇，初日黒星のあと3連勝．こちらも調子が良さそうである．
  自己最高位を更新した荒飛が，負け無しの2連勝である．この先が楽しみだ．
• 3日目： 今日は3関取が揃って白星を上げた．しかも土佐ノ海は土付かずの3連勝（そのうち大関から2勝），しかも相撲内容は完璧である．
  三段目の大綱と荒海が2連敗と元気がない．自力から言えば楽に勝ち越せる位置にいるのだが．．．
• 2日目： 土佐ノ海，立合いからの一気の押しで，千代大海を押し出す．
  北勝鬨連敗．先場所の勢いはどうした．大碇初日を出し1勝1敗．
  幕下以下では荒馬が黒星スタート．雷山，荒飛，荒熊が白星スタート．
• 初日： 土佐ノ海，立合い鋭く踏み込みもろはずで一気に貴ノ浪を押し出す．何度も叩かれて負けている相手に対しても迷わず前に出る良い相撲である．逆に貴ノ浪の方の動きが悪い．
  北勝鬨，物言いがついて相撲を２番とる．最初の一番：立合い北勝鬨が差し勝って一気に押し込むが，土俵際で小城錦が左手を持って網打ちをはなつ．土俵際もつれて軍配は北勝鬨に上がるも，物言いの結果，取り直しとなる．次の一番：立合い北勝鬨が左に変わり上手を引いて土俵際まで押し込むも，小城錦が左から体を大きく開いて小手投げを打つ．これも物言いのつく一番ではあったが，北勝鬨の体が死ぬのが，小城錦の右足が土俵の外に出るのよりも早く，軍配は小城錦に上がる．
  大碇，立合いするどく踏み込み，はず押しで前へでるものの，須佐の湖に叩き込まれてしまった．
  瀧ノ音，左から強力におっつけながら終始前にでて寄り倒しで白星を上げる．
  
  

• 場所前の様子： ６月２６（土）は梅雨の合間の好天気に恵まれ、稽古見学日よりとなりました。横綱・曙をはじめ、魁皇、千代天山、星誕期、戦闘竜（再十両）等が出稽古に来ており，部屋の３関取と活気のある稽古をしていました。特にこの日は土佐関の稽古が厳しいものでした。解説の北の富士さんも見えてました。
  翌日、２７（日）は朝から雨。この日は、名古屋後援会の稽古総見日だったのですが、生憎、風雨は強くなるばかり。立ち見でのテント内にも入りきれないくらいの沢山の見学者でしたが、皆さんずぶぬれ状態になりながらも最後までいらっしゃいました。出稽古に来ていた関取衆は魁皇と戦闘竜、玉春日と玉ノ国（新十両）、敷島に星誕期です。解説の緒方昇さん、そして大関千代大海取材のためＮＨＫのカメラや沢山の取材陣も来ていましたが、残念ながら大関は現れませんでした。千代大海関は次の日出稽古にきたそうです。
  
  レポート：伊勢ノ海部屋専属カメラマン金子