1999年春場所
3月14日〜28日 於 大阪府立体育会館
いつもより遅めに始まった大阪場所が,3月28日に千秋楽を向かえました.曙が初日から休場,ついで関脇の武双山,新大関の千代大海が途中休場,更には横綱の若乃花・貴乃花が相次いで休場するという波乱の場所となりました.また新入幕の雅山や大日ノ出,入幕二場所目の千代天山が9勝を上げ,若い力士の頑張りが目立った場所でした.このような状況の中,千秋楽結びの一番で,貴ノ浪・武蔵丸の大関同士が優勝争いを演じました.結果は,武蔵丸が右差し速効の寄りで,4度目の賜杯を手にすることとなりました.来場所の成績次第では横綱昇進も考えられます.
伊勢ノ海部屋の部屋頭,土佐ノ海(東前頭2) は序盤戦に両横綱から金星を上げたものの,7日目を終えて2勝5敗という厳しい星.しかし後半戦に盛り返して,何とか8勝7敗という成績で場所を終えることができました.金星二つを上げるものの,三賞の授賞はなりませんでした.先場所1点の勝ち越しで番付を6枚上げた北勝鬨(東十両2)は,成績次第では再入幕の可能性も十分にありましたが,終わってみると3勝12敗という結果でした.1歳年上の大善(西十両2)が,12勝3敗で十両優勝を成し遂げたのとは対照的です.来場所の奮起を期待しましょう.西十両5枚目の大碇は,先場所と同じく千秋楽が勝ち越しをかけた一番になりました.その一番で栃乃花を肩透かしに破り,8番目の星を手にすることができました.幕内復帰には最低でも,もう一場所必要です.
幕下以下では,瀧ノ音(西三段目6)と荒熊(西序二段62)が6番相撲が終わった所で土付かずの6連勝.うまくいけば優勝か?という期待をいだかせましたが,最後に負けて6勝1敗という成績に終わりました.優勝は逃しましたが,立派な成績です.また,序盤戦での1敗があったために目立たなかったものの,藤川(東序二段 125)が終わってみれば同じく6勝1敗の好成績.番付で並んだ二人の力士,英彦の山(西序二段51)と沖ノ龍(西序二段52)が仲良く5勝2敗の好成績をあげました.逆に,三段目の中位から下位にかけてが全員負け越しという,少々残念な結果もあります.
最後に今場所入門の新弟子を紹介します.皆,無事に新序出世しました.来場所以降の活躍を期待しましょう.
- 木村豊 - 群馬県出身.昭和58年7月21日生まれ.身長:173cm 体重:100kg
- 木村大地 - 群馬県出身.昭和58年7月21日生まれ.身長:182cm 体重:120kg
木村君兄弟はニ卵生双生児です.
- 荻野目浩行 - 茨城県出身.昭和57年12月6日生まれ.身長:183cm 体重:135kg
成績表
| 勝ち越し | 土佐ノ海 (前頭: 8-7),大碇 (十両: 8-7),瀧ノ音 (三段目: 6-1),英彦の山 (序二段: 5-2), 沖ノ龍 (序二段: 5-2),荒虎 (序二段: 4-3),荒熊 (序二段: 6-1),藤川 (序二段: 6-1),徳海山 (序の口: 4-3)
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| 負け越し | 北勝鬨 (十両: 3-12),荒馬(幕下: 3-4),大綱 (幕下: 3-4),雷山 (三段目: 2-5),荒海 (三段目: 2-5),荒飛 (三段目: 3-4),四ツ車 (三段目: 3-4),松田 (三段目: 2-5),藤縄 (序二段: 2-5),藤嵐 (序二段: 3-4),大筑波 (序二段: 2-5),北の剛 (序二段: 3-4),黒武州 (序の口: 2-5)
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新序出世: 荻野目,木村豊 改め 木村川,木村大地 改め 木村海
星取り表はこちら
日々のコメント
- 千秋楽: 土佐ノ海,琴錦を破りかろうじて勝ち越し.十両の大碇も勝ち越し.序二段の藤川,6勝1敗の好成績で場所を終える.伊勢ノ海部屋の成績は,勝ち越し9名,負け越し13名に確定する.少々もの足りない感じがするが,幕下以下で 6勝1敗が3名いたのは収穫であろう.
- 14日目: 土佐ノ海,水戸泉のはたきをかろうじて残し7勝目を上げる.千秋楽に大碇とともに勝ち越しをかける.この二人を除き勝ち越し・負け越しが決まる.負け越し13名,勝ち越し7名という残念な成績である.
- 13日目: 土佐ノ海,万全の相撲で栃東を下す.北勝鬨ようやく3勝目.三段目の瀧ノ音と序二段の荒熊,7番相撲を落とし6勝1敗で今場所を終える.優勝はならなかったが,立派な成績である.
- 12日目: 土佐ノ海,魁皇に敗れて7敗目.後がない.北勝鬨とうとう10敗目.大碇 7勝目をあげ勝ち越しに王手.幕下の荒馬,先場所に続き負越し決定.三段目の瀧ノ音 6戦全勝と絶好調.
- 11日目: 土佐ノ海,今場所初の連勝も,黒星一つ先行の 5勝6敗.幕下の大綱,3勝3敗の5分に戻す.最後の一番を頑張ってもらいたい.序二段の荒熊,6戦目も白星で飾り 6戦6勝.他の序二段全勝は,国東(玉ノ井),金(春日山),山本(阿武松)という強敵ばかりだが,7戦全勝そして優勝をつかみ取って欲しい.
- 十日目: 北勝鬨とうとう負け越し.大碇も5勝5敗と5分の星になる.三段目の瀧ノ音 5戦5勝.
- 九日目: 土佐ノ海,慣れない張り手で墓穴を掘ったか?張り手の得意な貴闘力相手に完敗.北勝鬨,7敗目で後がなくなる.英彦の山・荒熊,更に星を伸ばし5勝目.序二段優勝を目指して頑張って欲しい
- 八日目: 土佐ノ海,出島相手に初白星.相手を崩しておいての左上手投げが豪快に決まる.突き押しだけでなく,こういう相撲を取ればもう少し星が上がるかもしれませんが,今の付き押し相撲も捨てがたい...瀧ノ音,英彦の山,荒熊が,いずれも全勝を守り早々と勝ち越しを決める.
- 七日目: 足が滑ったか土佐ノ海前にバッタリと落ち,調子の上がらない千代大海に白星を献上する.荒海(東三段目 42 )が2連敗のあと2連勝と星を5分に持ち直す.
- 六日目: 土佐ノ海,2勝4敗と白星は両横綱から勝ち取ったもののみ.大碇 4勝2敗,北勝鬨 2勝4敗.幕下以下では,三段目の瀧ノ音と序二段の英彦の山・荒熊が土付かずの3連勝.
- 五日目:今日で前半戦終了.土佐ノ海,両横綱を破るもそれ以外は黒星.幕下以下では3戦全勝が荒熊(序二段62),2戦全勝が瀧ノ音(三段目6),英彦の山(序二段51),藤川(序二段125).中盤戦・後半戦も頑張って欲しい.
- 四日目:土佐ノ海,若乃花に続いて貴乃花も破る.北勝鬨,大碇もそろって白星.
- 三日目を終わって,関取衆は皆 1勝2敗と黒星先行.
- 二日目:土佐ノ海,7つ目の金星を若乃花より上げる.突き押しの見事な相撲でした.
- 初日: 土佐ノ海・北勝鬨・大碇の関取衆は相次いで黒星スタート.しかし,幕下の荒馬や三段目の瀧ノ音・雷山は白星の順調な滑り出し.幕下の大綱もいい攻めを見せたのですが,土俵際で逆転されてしまいました.
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