1999年夏場所
5月9日〜23日 於 両国国技館


土佐ノ海,初日に曙,三日目に若乃花を下し,通算金星を10個(史上3位タイ)とする.今場所は殊勲賞を獲得する.
北勝鬨,久々の二桁勝利の10勝5敗で場所を終える.


夏場所星取り表

成績表
勝ち越し
9名
土佐ノ海 (前頭筆頭:8-7),北勝鬨 (十両:10-5),荒馬 (幕下:5-2),雷山 (三段目:4-3),荒飛 (三段目:5-2),藤川 (序二段:4-3),大筑波 (序二段:4-3),徳海山 (序二段:4-2),黒武州 (序二段:4-3)
負け越し
16名
大碇 (十両:7-8),瀧ノ音(幕下: 2-5),大綱 (三段目: 3-4),荒海 (三段目:3-4),荒熊 (三段目:3-4),四ツ車 (序二段:3-4),英彦の山 (序二段:3-4),沖ノ龍 (序二段:1-2-4),松田 (序二段:2-5),荒虎 (序二段:3-4),藤嵐 (序二段:3-4),藤縄 (序二段:3-4),北の剛 (序二段:3-4),荻野目 (序の口:1-6),木村川 (序の口:1-6),木村海 (序の口:2-5)


【講評】・・・主に三段目以上の力士について

土佐ノ海は,2横綱を破ったことが評価され殊勲賞を獲得したものの,千秋楽の一番では琴錦に敗れてしまい,花を添えることができなかった.成績は8勝7敗.ファンにとってはもう一つ物足りない成績である. 今場所は前にバタリと落ちる相撲は減ったが,逆に立合いの当たりが受けとめられてしまう場面が見うけられた.来場所は三役復帰の場所である.金星をあげることはできない分,二桁勝利を目指して頑張ってもらいたい.

大碇は,突き押しのいい相撲をとっているのですが,もう一つ勢いに乗り切れませんでした.ただ千秋楽に7つ目の白星を獲得したのは十分に評価できます.再入幕を目指して今後とも精進を続けて欲しい.

北勝鬨は,場所前の稽古で左側の腰を痛めており少々心配していたが,杞憂に終わるどころか,久々に10勝をあげることができた. 十両優勝の可能性も十分にあったが,後半戦での連敗が響いて優勝を逃してしまったのは残念である.名古屋は,幕内復帰へ再挑戦の場所となる.

荒馬は,幕下中位まで番付を下げたためか,5勝2敗という良い成績をあげることができた.稽古場通りの力を出せれば,遠からず関取になれる実力があることは誰もが認めている.これからの一場所一場所が非常に重要になってくる. 月並みな言葉であるが,頑張って欲しい.

瀧ノ音は,先場所6勝1敗と絶好調であったが,今場所は2勝5敗という残念な成績であった.自分十分の左四つになればまだまだ力を発揮できるのだから,もう一度調子を整えて幕下上位を目指して欲しい.

大綱は右膝の調子が悪いのか,負け越してしまった.体調を整えれば,すぐにでも幕下に復帰できるはずだ.

雷山は,ここ2場所連続して負け越していただけに,嬉しい勝ち越しである.大綱とともに幕下に復帰・定着して欲しい.

荒海は先場所,今場所と連続して負け越してしまった.体が小さいだけに捕まってしまうと不利であることは否めないが,動きの良さを生かした相撲をとれば,今年中には幕下が見えてくるはずである.

荒飛は7番相撲の物言い後の取り直しで,相手を豪快に吊り出し貴重な5つ目の白星を手にすることができた.これで来場所はほぼ自己最高位と同じところまで番付をあげてくるはずだ.今年中に幕下を狙える位置まで躍進して欲しい.

荒熊は,初めての三段目を3勝4敗の成績で終えた.千秋楽に勝って3勝にしたのは評価できる.腰が高い,脇が甘い,アゴが上がるという欠点はあるものの,両手突きから一気に前に出る取り口が非常に魅力的である.稽古に精進すれば近いうちに三段目に定着することは間違いない.

三段目を目前にした沖ノ龍が靭帯を損傷し入院生活を送ることとなった.あせらずに,しっかりとケガを治して欲しい.

先場所6勝1敗と大きく勝ち越し,序二段48枚目まで番付を上げた藤川が,3連敗のあとに4連勝し,勝ち越すことができた.来場所は三段目が見えるところまで番付を上げてくる.今後に期待したい.


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