夏場所前の稽古

場所前の稽古は番付が発表された4月26日以降,本格化します.4月28日−30日は,時津風一門の連合稽古が,また4月30日は横綱審議委員会の稽古総見でした. 5月1日,2日と伊勢ノ海部屋には,横綱曙,魁皇,玉春日,千代天山,闘牙,海鵬などの関取が訪れ激しい稽古が行われました.またNHK解説の北の富士さんや,緒方さんも訪れて稽古の様子を見学していました. ここでは,5月5日の後援会稽古総見の様子と,その前日の様子を紹介します.

5月5日 後援会稽古総見

稽古総見のこの日,多くの見学者が部屋を訪れて来ました.その数30−40名程度.そのうち10名程度が報道関係者です.

いつものように横綱曙・魁皇・玉春日・闘牙・千代天山が出稽古にきており,部屋の関取である土佐ノ海と北勝鬨とともに,活気のある関取同士の申し合いが展開されていました.残念ながら大碇は体調不良で今日の稽古はお休みです.

元気だったのは魁皇で,35番の相撲をとり 28勝7敗と絶好調(7敗のうち曙から4敗).

横綱曙は21戦全勝と絶好調.まっすぐ前に出る力はやはり一番で,突き押しが型にはまると誰も手がつけられません.唯一,魁皇だけがかろうじて曙の出足を食い止め,四つに組んでいました.曙が土俵をおりる時に伊勢ノ海親方が「元気だね.腰,もういいの.」と聞くと,曙が 2度かすかにうなずいていました.さて,本場所ではどうなることでしょう?

伊勢ノ海部屋の部屋頭,土佐ノ海は残念ながら16戦して16敗.前に落ちるところが目立ち,全然良いところがありません.もっとも本人が言うところでは昨日あたりが疲れのピークで,今日も本調子とは程遠いということでした.調整段階であり,あまり心配はいらないでしょう.

北勝鬨は4番取って2勝2敗.闘牙と千代天山から白星をあげていました.左の腰に若干痛みがあるようですが,十両9枚目ならまだまだやれそうです.

この日,出稽古に来ていた千代天山が,魁皇に小手投げを打たれた時に左ヒジの靭帯を痛めてしまいました.投げられた直後しばらく土俵にうずくまってはいたのですが,すぐにアイシングをし,それなりに動く状態だったので大したケガではないと思われましたが,翌日になって痛みが増し,病院で検査したところ靭帯損傷が判明しました.

幕下以下では,荒馬が元気なところを見せておりました.特に横綱から「一気に攻めなきゃダメだよ」というアドバイスをもうと,右をかち上げ気味に立ち合い,休まずに相手を土俵の外に押し出すようになり,相撲がみちがえるようになりました.ここ二場所連続して負け越しているだけに,このへんで盛り返して欲しいものです.また,荒海,荒熊,四ツ車,松田,荒虎,沖ノ龍,藤川などが積極的に申し合いに参加していたのが目立ちました.

特に荒熊は,ぶつかり稽古で土佐ノ海に胸を貸してもらい,たっぷりと可愛がられておりました.今後の活躍が楽しみです.


5月4日 ちょっと中休み

この日は,稽古の中休みといった雰囲気です.土佐ノ海はニ所一門の連合稽古に出席するために,大鵬部屋まで出稽古.親方は急用で外出中です.

稽古場では,三段目未満の力士を中心に申し合いが行われていました.荒馬・雷山・荒海などは稽古場で廻しをつけてはいましたが,体をほぐすだけで申し合いには参加しておりませんでした.大碇・北勝鬨の関取衆も同様です.

そんな中でも,荒熊・四ツ車・沖ノ龍・荒虎・松田・藤川などが積極的に申し合いをしておりました.

番付発表後から連日の猛稽古が続き,体調を整えるためには,時にはこんな日も必要です.初日まであと5日となりました.


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